オオソリハシシギ(大反嘴鴫)Bar-tailed Godwit 071

トピックス;『和名・英名とも體が名を表しています。』『春季の渡りの夏羽は滅多に観ることが出来ません!!』『ヨーロッパでの越冬の棲息域も限定されているようです。』 『A Kind of Japanese Birds』
画像 和名、「おおそりはししぎ」は漢字で「大反嘴鴫」と書き、美濃国加納藩から南々西約100㎞、伊勢国、津(安濃津:あのつ)藩の雲出(くもず)川河口で「秋季の渡り中」に逢いました。
英名は「Bartailed Godwit>縞模様の尾羽のオオソリハシシギ」です。しかし「Godwit」の語源は英々辞典によればMid 16th cent.: of unknown origin : 16世紀中頃で出典は不明」とされています。

画像 ところで源學名は「Limosa Lapponica Novae₋zealand リモサ ラポニカ ノヴェ-ジーランド(Gray)」と標記され、第一學名はラテン語で”沼地を好む”、第二學名は“ラップランド地方の”をそれぞれ意味し、第三學名はラテン語の“新しいシェラン島”でデンマーク東部の最大の島(コペンハーゲンはその東端)に在り場所が関係しているようで、この「ラップランド地方; Lapponica」は現在のノルウェー、スウェーデン及びフィンランド北、ロシアの「Kola」半島を含む欧州最北部の地域を示していると云われています。??
現在は二名法で「Limosa Lapponica 」で第三学名は省略されています。學名は蕃殖場所を表していますね?!でも和名は頭部の嘴、英名は尾羽の先端の體が名を表しています。




画像 話が変わりますが、昭和初期に改訂編纂を開始し戦後まもない1947年に発刊された「日本動物図鑑:北隆館発行」ではシギ科は26種が記載されています。オオソリハシシギの説明内容はP190にあり『稍大形しぎ類ニシテ嘴極メテ長ク、且小シク上方ニ向ヒ彎曲スルヲ特徴トス、旅鳥ニシテ海濱ノ河口等ニ極メテ多数渡来シ秋ノ渡リハ九・十ノ2カ月、春ノ渡リハ四・五ノ二カ月ヲ最盛期トナス、色彩ハ體ノ上部ハ黒褐色ニシテ各羽緣ハ鏽赤色ヲ帯ビ腰ト上尾筒ハ黒色白緣ヲ有ス、尾羽ハ白色ノ地ニ數條ノ褐色帯アリ、顔・頸及ビ體下面ハ凡テ鏽赤色ニシテ顔ニハ褐色ノ過眼斑アリ、嘴ハ暗色ニシエ基部黄赤色ヲ帯ビ脚ハ黒色ナリ、冬羽ニテハ背面ノ地色灰褐色トナリ羽緣淡ク、腰ト上尾筒ハ白色ニイ褐色斑アリ、下面白色ニ變ジ上胸部ニノミ淡褐色斑アリ、翼長220mm内外、嘴峰85mm内外、本種ハ東部しべりあニ於テ蕃殖シ、中國南部・マレー半島・濠洲トウニ越冬ス、本邦ニハ渡リノ往復ニ立寄ルモノニシテ、全國ノ海濱ニ極メテ多数渡来ス、』と記述しています。  
画像  さて、話を大きく変えまして、イギリスで発刊している鳥図鑑の「RSPB Birds of Britain and Europe」Rob Hume著で年間を通じて見ることの出来る學名が「Limosa 」の付いたシギ類は2種で他はオグロシギ(Black₋tailed Godwit)が棲息しています。そこで同図鑑P163で「オオソリハシシギ」の解説を調べてみますと、
  『While Black-tailed Godwits breed in Europe, Bartailed Godwit breed in the far northern tundra, But they are otherwise such more widespread on shores of all kinds, They prefer extensive mudflats, groups scattering over them to probe for food、and are driven at high tide to large、mixed roosts where they tend to keep a little separate from the Curlews , Redshanks, and other species close by, Flocks flying to roost may arrive quite high up and dive down with much acrobatic twisting and rolling. :オグロシギはヨーロッパの中で蕃殖する、一方で、オオソリハシギは極北のツンドラ地帯で蕃殖する。だけど、それ以外の場合、あらゆる種類の広範囲な海岸線で過していており、潮の満ち引きする広い湿地を好んでいる。群れは餌を探し求めるため分散している。そして、潮の満ち引きの際にせっせと動いている。 「ダイシャクシギ」、「アカアシシギ」から少し離れた距離を保つ。そして、他の種類とは接近している傾向があり、休息場(塒)で混ざっている。集団の休息場所への飛翔は曲芸的な向き変更や、回転を伴い、ほとんどが急上昇や急下降してたどり着いくと云っても差支えがない。』

画像 『Occurrence (出現場所):Arctic breeder on tundra、in Europe, mostly in scattered flocks on broad estuaries, but also seen in smaller beaches and rocky shores,
lingering until May and returning from July onwards. :ヨーロッパの中、北極地のツンドラ地帯の蕃殖鳥、潮の差す広々とした河口域で大部分は分散して群れている。だが、同じく狭い浜辺や岩礁浜に5月まで長逗留し、その先へ7月から戻っていく、』

『Voice( 鳴声): In flight quick , yelping kimuk kimuk. :飛翔中に、早く、甲高い叫び声“kimuk kimuk”と短く鋭い声をあげる。』、なお、現代本邦汎用鳥図鑑の鳴声の表現は「ケェ、ケェ」と表現しています。
『Nesting(営巣):Small scrape on ground on drier patch in cold tundra; 4 eggs ; 1 blood; May-July :、寒冷のツンドラの中のより乾燥した地上の小さく削っ地面、一腹3~4卵;5~7月』
『Feeding(採餌):Probes for large marine worms and molluscs. :大形の海に棲むワーム(這う虫類)や甲殻類を探し求めている。』と表現しています。 

画像  加えて『Similar species(類似種)は:Black₋tailed Godwit(オグロシギ)・Curlew(ダイシャクシギ)』、
そしてその「Key data」として『Length(大きさ); 33-47cm』、『Wingspan(翼開長); 61-68cm』、『Weight(重さ); 280-450g』、『Lifespan(生存期間); 10₋15years;10-15年』『Social(群れの成り立ち):Winter flocks(冬季は集団)』『Status(棲息情勢) :Vulnerable (攻撃を受けやすい)』 と説明しており、ヨーロッパでの棲息状況が判りました。

画像  この鳥の繁殖時の棲息地域は、ほぼ北極圏(Arctic Region:北緯66度33分以北の地域)に沿う場所で、世界地図上、北極圏の限界線となる北緯66度33分線を北極線(Arctic Circle)として定めています。ご存知と思いますが北極圏では真冬(冬至)に太陽が昇らず(極夜)、真夏(夏至)は太陽が沈まない(白夜)地域です。

なお、地表を照らす春分と秋分の日には太陽が赤道上で鉛直に照らす(このときの太陽の角度を南中高度と云い)。 北半球では夏至と云い北緯23度26分、北半球の冬至には南緯23度26分で各々の太陽が鉛直に照らします。 この緯度が最も高緯度で太陽が天頂に来る地域である北半球を北回帰線、後者を南回帰線、あわせて回帰線と云われています。
画像  ちなみに「日本動物図鑑」で記述のある越冬地の中國南部は北回帰線近くにありますし、蕃殖地は東部シベリアやヨーロッパではラップランド地方で両方とも北極線の近くにあると思われますので、この緯度差は、ほぼ43度分で直線距離にして約4800㎞相当を行き来することになります。どうも渡りのはじまりは日の出・日の入り時刻の変化、による日照時間の長短、及び、気温変動等が関係してかもしれません!!、今回、画像をゲットしたオオソリハシシギたちの渡りに幸あれと願うばかりです。

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