オグロシギ(尾黒鴫):Black-tailed Godwit

トピックス;『和名・英名ともに色が名を表しています。』『本邦で観ることの出来る大形のシギの仲間です。』『全体が濃い赤かっ色系となるのは老鳥だけだそうで多摩動物公園でご覧頂けます!』
和名、「おぐろしぎ」、漢字で「尾黒鴫」と書き、英名は「Black-tailed Godwit」です。秋口、美濃国加納藩から南西約2里(8キロ)離れた墨俣一夜城近くの湛水している休耕田で出逢いました。
このシギは、本邦で見ることの出来る最大級のダイシャクシギやホウロクシギなどのNumenius(ナメニアス)属に次ぐ大きなシギです。  

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ところでこの鳥の源學名は「Limosa Limosa Melanuroides リモサ リモサ メランウロイデス(Gould)」と標記されており、第一學名・第二學名はラテン語で”沼地を好む”、と意味されていますが、第三學名は身勝手に英々辞典を頼りに調べますと「Melan+uro+ides(複数)」とにそれぞれ分解が出来、ギリシャ語の「黒い:Melan(メラニン)」で後者は「尾部:uro」に関連し、學名の意味は「沼地を好む尾羽の黒いシギ」になるのではないでしょうか?!現在は二名法で表記されています。

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さて、在野の鳥類博士、小林桂助さん著「鳥:保育社(1996)」によりますと、この鳥は『冬羽は灰かっ色であるが、夏羽では赤かっ色となる、しかし、全体が濃い赤かっ色となるのは老鳥であり、若い鳥は夏でも一部が赤かっ色だけである。また冬羽とほとんど色のかわらないものがものもある。』と羽色について記述しています。本邦では春、秋の渡りの途中で観ることが出来ます、この時節に色鮮やかな夏羽(蕃殖羽)は中々、ご拝見が出来ないと思います。ここで2014年4月に多摩動物園の春季でも全体が濃い赤かっ色となっている老鳥の画像?をゲットしましたので部位特徴として添付しておきます。
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 話が変わりますが、ここで昭和初期に改訂編纂を開始し戦後まもない1947年に発刊された「日本動物図鑑:北隆館発行」ではシギ科は26種が記載されておりP190で「ヲグロシギ」と表記され、
この内容は『形態・習性稍おほそりはししぎニ類シ、其ノ郡中ニ混ズルコト多キモ、本種ハおほそりはししぎヨリ稍小形ニシテ、嘴ハ上方ニ彎曲セズ、色彩ハ頭頸部ハ鏽赤色ニシテ其ノ上面ニハ黒色點状斑散在シ、脊ハ鏽赤色ト黒色ト斑紋ヲ呈シ、腰ハ暗褐色、上尾筒ハ白色ナリ、尾ハ名ノ示スガ如ク黒色ニシテ先端灰色ヲ帯ブ、胸ハ鏽赤色ヲ呈シ腹部以下ハ白色ニ黒ト鏽赤色トノ横斑ヲ散在ス、嘴ハ暗褐色、脚ハ黒色ナリ、上記時鏽赤色の部ハ冬羽ニ於ハ全ク之ヲ缼除す。翼長195mm、嘴峰100mm、分布及ビ習性ハ略々おほそりはししぎニ類スルモ、本邦ニ渡来スル數遥ニ小數ニシテ特ニ春季ニ渡リニ目撃セレルヽモノ稀ナリ』と解説しています。本図鑑の説明文は大半が夏羽の詳細を解説していまので多摩動物公園での夏姿(老鳥かも?)の近接画像を添付します。
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ところで、本種オグロシギ(跗蹠56~68mm)と一回り大きいケリ(翼長230mm内外、嘴峰37mm、跗蹠75mm前後)との休耕地で一緒にエサを啄んでいるところでの大きさ比較の画像を造ってみました。本邦での留鳥、ケリは嘴峰(嘴の長さ)及び、跗(ふ)蹠がオグロシギのほぼ三分の一程度で10cm程の水深の水田等ではかれらの嘴では餌は獲れないことが分かります。
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さて、少し話を変えまして、イギリスで発刊している鳥図鑑の「RSPB Birds of Britain and Europe」Rob Hume著での年間を通じてヨーロッパで観る可能性の大形のシギ類は7種で、他にオバシギ(Great Nnot)」などRare種扱い10種も含め計17種の説明が掲載されています。そこで上記図鑑P162の解説を調べてみますと、
『This is one of Europe’s larger and more handsome waders, boldly patterned in flight (when it is unmistakable) and characterized by especially long legs . It usually stands with its body well forward, bill probing almost at its toes.
The Black-tailed Godwit breeds in wet meadowland, where it is susceptible both to drainage and sudden spring floods. In winter. it  reason to relatively few estuaries, often rather narrow and enclosed with long , narrow areas of rich mud; these are occupied year after year.:
これはヨーロッパの大形で均整の取れているシギの内の一羽であり、飛翔中のハッキリとした羽根模様(それは見間違いなければ)、取分け脚が長いのが特徴である。通常、前方へ向かって上手く體を支えている、そして、ほとんど趾を嘴でまさぐる丹念に探っている。
オグロシギは湿潤な草地(それは排水や春先の突然の洪水の両方に影響受けやすいところ)で蕃殖する、冬季は、河口では比較的少ない、どちらかと云えば狭くて豊か、豊かな泥のある細長く,周囲に囲まれた狭いで領域に通う:これらが年々占めている。』
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『It is generally much less widespread than the Black-tailed Godwit but may gather in hundreds in traditional wintering places. Spring flocks before migration look stunning in red plumage.
それは、通常、オオソリハシシギよりそれほど広範囲にわたらないで、昔から冬を過ごしている場所で何百とお互いに集まっているかもしれません。 渡りの前の春の群れは赤い羽毛が凄く美しく見える。』
『Occurrence (出現場所):Breeds in N and W Europe , in wet meadowland and flooded pasture, otherwise, mostly coastal. Widely spread except in far N Scandinavia but everywhere localized, even in winter,  When most are on traditional, mudy, narrow estuaries:北と西ヨーロッパの湿潤な牧草地や洪水跡の放牧地で繁殖し、さもなければ、たいてい海岸域、遠い北スカンジナビアを除き、いたる所に広がり、でも、局所的になっている、まさに冬季は、ほとんどが昔からの泥が多く狭い河口部である。

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『Voice( 鳴声): Noisy in spring with nasal weeka-weeka-weeka; quick vi-vi-vi in flight.:春は鼻にがかった weeka-weeka-weeka; 飛翔中は早や鳴きのvi-vi-vi』
『Nesting(営巣) Shallow scrapes on ground in rich vegetation; 3 or 4 eggs; May-July: 豊かな植生地の浅い凹地 :3~4個;5~7月
そして、その「Key data」として『Length(大きさ); 36-44cm』、『Wingspan(翼開長); 62-70cm』『Weight(重さ);280-500g』、『Lifespan(生存期間); 10-15years;10--15年間』,『Social(群れの成り立ち);Winter flocks』(冬季は集団)』と解説が有ります。

前述の小林桂助さん著「鳥:P85」で棲息範囲と季節の渡りについて『シベリア東部からヨーロッパかけて分布し、冬はインドシナ半島、マライ諸島、インド、オーストラリア、アフリカにまで渡り、日本には春と秋との渡りのときに海岸の干潟や水辺で見ることができる。小群となったり、オオソリハシシギの群れに混じっていることもあるが、オオソリハシシギほど数は多くない。秋の渡りは8月上旬から10月上旬であり、春は5月ごろ見られる』また、『舞い上がったとき尾の先に幅の広い黒帯があることを注意すればまちがいない』とそれぞれ説明しています。
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なお、本文のインド、オーストラリア、アフリカへわたる種類は蕃殖地が多分にシベリア中部で蕃殖した鳥たちは各地の干潟や河口沼地を見付けながら渡って行くのでしょうね?!
ここで参考に、本邦で見ることの出来るホウロクシギ、大形で嘴峰がほぼ倍程度、150~180mmといわれている画像をアップしておきます。



















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