ライチョウ(鶆鳥): Ptarmigan

トピックス;ライチョウ『乗鞍畳平の手前、大黒岳でお逢いしました』、『英名は「Grouse 」と「Ptarmigan」があります。和漢字名も「雷鳥」「鶆鳥」の二つがあるかも!』、『本邦やヨーロッパでは棲息地域が限られています。』『観察地域・場所が限定されているため、観ることが出来たのは運がよかったです!!。』
ライチョウB1.jpgこのライチョウ類は世界的には旧北区の北部に分布しているとされ、ヨーロッパではスカンジナビア・アルプスなどの高地、本邦では日本(北・南・中央)アルプスに棲み、夏から秋にかけてハイマツ林に集まって種子?などを食べます。冬期は標高の低い地に移り過ごすと云われています。
今回、北アルプスの南端に位置する乗鞍岳地域でお逢いすることが出来ました。
乗鞍への旅は日帰りで、畳平(たたみだいら)への登山専用バスに乗り換えてライチョウを観るために最終地点の乗鞍バスターミナルの一つ手前の降車専用バス停、大黒岳(標高2772m)登山口を利用し登攀を試み、山頂近くのハイマツのある場所を二時間ほど歩きライチョウを狙いました。この時期は子育てもほぼ終り親子家族は少しずつ分散しているようで、その画像も残念でしたが遠方でOne ショットだけでした。でもその後の頂上では猛烈な風でヘトヘトの体で畳平の方へ下山しました。

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話を戻しまして、本邦の「ライチョウ」の學名を調べてみますと、源學名は「Lagopus mutus japonicus ラゴパス マタス ジャポニカス (Clark: クラーク)で、第一學名はギリシャ語の“野ウサギの肢”羽毛がウサギのあしに似ているため名付けられたそうです。第二學名は“無言”、第三學名は“日本の”を意味しています。このクラ-クさんは他に「アオサギ、フクロウ及びワシミミヅク」などを名付けたお方と云われています。
なお、本邦の英和辞典ではライチョウの「Grouse 」と「Ptarmigan」が存在します、一方、和漢字も現代汎用鳥図鑑などでは「雷鳥」「鶆鳥」の漢字が使われています。

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また、余談ですが、今回、訪れた乗鞍岳の周辺ではホシガラスを観察できます。それは清棲幸保(きよす・ゆきやす)さん著『原色日本野鳥生態図鑑(山野の鳥編:1959年 保育社)』(p74~76、)に説明がありましたので紹介します。筆者が1932年以来、長年、北アルプスで山岳性鳥類の研究を行い、キクイタダキ・キバシリなどの巣と卵を発見してきましたが、最後に残ったホシガラスの巣を24年後の1956年になってようやく北アルプス南部の乗鞍岳にある冷泉小屋付近で発見したそうです。「ホシガラスの巣には3卵があって抱卵中であったが、親鳥は人を恐れることが少ない鳥として当時の調査状況を詳細に記述しています。抱卵時には腹を深々と産座にうずめるくらいして卵を温める。一見カケスの巣に似ているが、それよりもずっと産座が深かった」と発見時の調査状況や日本で初めて発見されたホシガラスの巣卵として写真を紹介し、「キバシリ・ホシガラス・クマタカなどの巣は、めったに発見できるものではなく、ホシガラスの巣は年来の念願を果たした」と発見時、感激したことを記述しています。
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彼らが棲息しているハイマツの樹高は1~2mで多く松の中では小形で、その樹形は名前の通り(這松:松が這う)地を這う独特のものです。本邦の他のマツの仲間には殆んど例を見ないそうで。高山の稜線上などでは文字通り、地面を這うような低い樹形になっており。針葉は長さ3~9cm。枝の基部に暗紫色の雄花,先端に淡紅色の雌球花を開く。長さ約5cmの卵形緑褐色の球果が熟し、種子の大きさは8~12mmになるそうで同場所で観察が出来たホシガラスなどもこの種子を採餌しています。
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今回、途中で乗鞍岳環境調査員のお方に出逢うことが出来ました。この方によれば、乗鞍岳地区のライチョウは大黒岳(標高2772m)でも、運が良ければ確認できるとお聞きしました。
ただ、「ライチョウ」の産卵期は五月から七月の間と云われ産卵後、三週間ほどで孵化するそうで、今回、訪れた時期は十月上旬でしたので、餌の豊富な場所や幼鳥は少しずつ親離れをしているかもしれませんが、「ライチョウ」撮影ポイントの一つかも?? 

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話を変えまして、本邦の昭和初期から編集開始され、その当時の鳥學専門家で第一人者である内田清之助さんが、1947年初版の改訂増補「日本動物図鑑:北龍館発行」(P215)で解説しています
それは、「らいてい(雷鳥)」の學名は「Lagopus mutus japonicus (Clark)」でその内容は『本種ハ冬季純白色ニ變色スルヲ以テ有名ナリ.夏羽ハ背面全部及ビ喉ト胸ハ地色黒色ニシテ一面ニ茶色ノ黄斑ヲ密材シ、腹部ハ白色ナリ.翼ノ風切羽ハ純白色、尾羽ハ中央ノ2枚ヲ除キ黒色ナリ、嘴ハ雄ヨリモ茶色ニ富ミ、頭・頸・喉・背・脇トノ等ハ黒ト茶トノ稍粗ナル黄斑ヲ有ス、冬季ミ至レバ雌雄共全純白色ニ變ジ、只外側尾羽及ビ雄ニテハ眼先ニノミ黒色部止ムルノミ、脚ハ趾迄白羽ヲ以テ覆ハル.翼長195mm内外、嘴峰20mm、所謂日本あるぷす連峯中ノ高山ニノミ棲息スル種類ニシテ其數多カラズ、近時天然記念物トシテ指定セラル、千島ニモ棲息スレドモ僅カニ羽色ヲ異ニシ、 ちしまらいてう L.m.Kurilensis Kuroda と稍シ亜種ヲ別タル』と記述しています。
春から秋にかけては季節によりこの鳥は前述のように羽色模様が変化し夏羽となり上部は黒茶色羽、冬羽は全体が純白色に替わり、周辺に適応する保護色となり身を守ります。乗鞍岳を訪れた時期は十月上旬でしたので下腹部が冬羽白色へと移行する時期のようでした。
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もう少し話を変えまして、イギリスで発刊している鳥図鑑の「RSPB Birds of Britain and Europe」Rob Hume著P117で「Ptarmigan 」の解説を調べてみますと、『High-altitude grouse in the south of its range, on lower, barren ground farther north(even within Scotland), the Ptarmigan is a smaller, more delicate version of the Willow Grouse.
In the UK, it is found only on the highest Scottish peaks and extreme northern moors, It is difficult to separate from Willow Grouse in winter, and females require care to separate from Red Grouse in summer.;
棲息範囲の南側の高地のライチョウ類、北のさらに低い不毛原野(スコットランド内でも)、ライチョウ(Ptarmigan400~600g)は、カラフトライチョウ(Willow Grouse650~750g)より繊細な小型版です。英国の中ではスコットランドの高い山頂と極北の湿原でのみで見られます。冬季はカラフトライチョウ(Willow Grouse)と見分けることは難しく、雌は夏には赤ライチョウ(Red Grouse)から離れるために注意を要する見分けることが難しい。
VOIE(鳴声)は 『Low, dry,croaking notes especially four-syllable arr kar kar karr, also cackling “belch”. 低音、乾いた音、鳴き声、特に4音節のarr kar kar karr、“「げっぷ吐くように」”コッコッと鳴きます。』
NESTING(営巣)は『Scrape on ground、lightly lined with grass; 5-9 eggs; 1 brood; May-July:地面を掻き出し、草などを軽く敷いている。 一腹5-9卵; 1回の巣作り; 5―7月』
FEEDING (採餌)は『 Shoots、leaves, bud、seeds, and variety of low-growing shrubs; also takes insects, which are important food for chicks.;芽、葉、つぼみ、種子、様々な低木、同時に昆虫も取ります。 これらは幼鳥にとって重要な食物である。
また、「Key data」としては『Length(大きさ); 34-36m』、『Wingspan(翼開長); 54-60cm』、『Weight(重さ); 400-600g』、『Lifespan(生存期間); Up to 7 years(7年以上)』『Social(群れの成り立ち):Small flocks(小集団)』『Status; 生存情勢;Secure(安全・安泰)』

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この「Occurrences(出現場所)」を調べますと、『 Breeds widely in Iceland, N and W Scandinavia, and very locally in Scotland, Pyrenees, and Alps, on open tundra or rocky shores, and boulder fields. In S Europe, only highest stony peaks that mimic tundra environment.; アイスランド、スカンジナビア半島の北、および西でそれぞれ広く繁殖し、スコットランド、ピレネー、およびアルプス、開かれたツンドラ又は、岩場の海岸、そして、非常に限られた地域にいます。南ヨーロッパでは、ツンドラ環境に類似した岩がある背が高い山頂のみ。』と記述しています。
ところで、一般に高山の動物の垂直分布は、水平分布の縮図と云われ、高緯度の地域ほど動物分布の標高が低くなるそうで、ここで北緯45度付近のヨーロッパアルプス地方の棲息地域(本邦の乗鞍大黒岳は標高2880m)も標高3000m程度と云るかもね?。従ってこの考えから云えば、スカジナビア地方の北緯60~70度の海岸端では標高はかなり低地と考えられます。さてさて??












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