ヨシガモ(葭鴨):Falcated duck 47

トピックス;ヨシガモ『何故、名前に「ヨシ」が付くのでしょうか、名付け方が判らない。』『英名は「體が名」を表しています。』『別名「みのがも;みのよし」とも云われています。』『ナポレオンさんの帽子を観ることが出来ます。』

和名「ヨシガモ」漢字で「葭鴨」と書きます。本邦へ渡来している「カモ」類で水辺の葭(葦:よし)端などで過ごしています。ある新聞連載記事で「大盗熊坂長範が美濃国赤坂の宿で牛若丸に討たれた」ことを脚色した能舞台で被っている熊坂(長範)頭巾にこの頭部が似ているので「クマサカアイサ」など異名が多いとの説明もあります。

画像 ところで、カモ類には潜らず水面に漂う植物性等の餌を濾して食べたり地上や逆立ちしたりして水中水草等を取って餌とする「水面採餌カモ」と水面下を潜水して水中昆虫などの餌をとる「潜水採餌カモ」との二種に分かれており、採餌の方法、或いは餌の種類が違っています。その特長も体形も異なり特に脚の位置や嘴などが違うそうです。

いつも頼りにして調べている65年前(昭和22年)発行された専門書「改訂増補:日本動物図鑑」では、この「ヨシガモ」については「マガモ」などと一緒の「水面採餌ガモ」として9種の中に記載があります。
画像 この中の説明では『中形ノ甚ダ美麗ナル種類ニシテ、翼ニ美シキ蓑羽アルヲ以テ、みのがも又ハみのよし等ノ俗稱アリ、頭部ハ紫栗色、顔頭ハ金緑色ニシテ後者ノ羽毛長ク冠状ヲ呈ス、脊ハ黑ト白ノ微細ナル蟲蠧様斑ニシテ、上尾筒ハ黑ク、尾ハ灰褐色ナリ、翼ノ雨覆ハ灰色、翼鏡ハ金緑色、三列風切は長クシテ彎曲シ鎌状ヲ呈シ、金緑色ト白色トノ縦縞シ呈シ美麗ナリ、喉ト頸ハ白色ニニシテ緑色ノ頸輪アリ、胸ハ脊ト同ジク、以下ノ腹面ハ白地ニ黑色ノ横條アリ、下尾筒ハ黒色ニテ、ソノ兩側ニ黄白色アリ、嘴ハ黑ク、脚ハ紺色ナリ、翼長250mm内外、嘴峰40mm内外、雌ハ頭・頸ハ紫褐色ニ白斑ヲ有スシ、背面ハ黄褐色ニ褐色斑アリ、翼ニ簑羽ヲ缺キ下面黄褐色ノ地ニ褐色斑点アリ、あじあノ大部分ニ分布シ、我国ニハ十月ヨリ五月初旬迄全国ニ渡来ス』と解説しています。

画像 次の画像は逆立ちをして餌を求めている「カルガモとコガモ」の例です。「ヨシガモ」は水面採餌鴨の仲間の「カルガモ」より一回り小形です。
この画像は体の大きさから判断して水草の葉先の水深は50~20cm程度と思われます。このような行動を見ていますと茎等を喰いちぎって、もう一度水中に漂っている植物性の餌を求めているようでした。「ヨシガモ」達もこの様な水深の場所を選び採餌していると思われます。






画像   名前に拘って、いつも名付けを調べている「大言海」冨山房(昭和7年発刊)でもこの「よしがも」は説明されていません。
ぞこで、唯一の手掛として図鑑の『……翼ニ美シキ蓑羽アルヲ以テ、みのがも又ハみのよし等ノ俗稱アリ、……』解説文を頼りに身勝手に名前の由来を解釈すると「蓑羽が水辺に被さっているような鴨」または「蓑笠を羽織っているように観える鳥」で「蓑かさ鴨⇒蓑(みの)鴨」、
一方、葭(あし)も水辺に覆いかぶさるような草ですので、『水辺にかぶさったような羽』の鳥で「蓑葭(みのあし)鴨」から、この「あし」を「よし」と読み、次に漢字「蓑」を略し『葭鴨:よしがも』として名付けた鴨かも???

 一方、和名「ヨシガモ」は英語名が『Falcated duck』となっており、この和訳は「鎌形のカモ」となると思いますが、よく観ると第三風切羽(Tertiaries)が長く鎌状(Falcated)に垂れています。従って英名では「體が名を表して」いますね!
しかし、いつも紹介していますイギリスで発刊している鳥図鑑「RSPB Birds of Britain and Europe 」Rob Hume著では、この鳥は冬季のイギリスやヨーロッパ大陸へは渡来しないようで記載されていません。「ヨシガモ」は極東カムチャッカ半島以西(寒冷気候帯)に繁殖地が限定(ヨーロッパ大陸まで5千キロ以上離れている??)されているとも云われており、このようにヨーロッパではお眼にかかることが出来ず本邦でしか確認できない鴨類で、ある面レア種かもしれません。他には「カルガモ、トモエガモ」がこれに該当します。

画像 また、話し変わって「日本動物図鑑」の説明の中で「ヨシガモ」の羽の特徴として『…脊ハ黑ト白ノ微細ナル蟲蠧様斑ニシテ、上尾筒ハ黑ク…』と説明がありますが、この「蟲蠧(ちゅうと:きくいむし⇒木の芯を食い破る蟲)樣斑」があるカモ類は他に「ヒドリガモ、ヲナガガモ、トモエガモ及びコガモ」合わせて5種類です。そこでこの画像を掲示します。画像 
 加えて、Web情報によりますと「ヨシガモ」の雄は後頭に冠羽があり、それは「ナポレオンの帽子」と称されているとアップされています。この比較画像も作成してみましたが如何でしょうか??
  ところで、學名を調べますと「Eunetta Falcata, ユネッタ、ファルカタ(Georgi」で、現在は「Anas Falcata, アナス、ファルカタ」第一學名はラテン語の”カモ”、第二學名は”草刈がまをの形をした”腰の羽毛が長く伸び、鎌の形をしていると意味しています。學名、英名は體の形、和名は棲む場所が名前についているようです??。




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この記事へのコメント

エミリン
2012年04月12日 21:49
  きょうは、天気も良く、金華山からの眺めも最高で、突然の質問で、いろいろ教えて頂き、ありがとうございました。あまり鳥の、種類も、分からずに、ここに入りましたが、本当に詳しく書いてあり、びっくりしました。また、ホッとしたい時、ここの鳥を眺めに来ます

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