ツルシギ(鶴鴫)Spotted Redshank 81

トピックス;『名付け方が判らない。』『夏羽は一目瞭然ですが、冬季の判別が一層困難です。』『英名は斑点のある赤い脚のシギ。』『深い所へ泳ぎ出るほど水泳が得意で、動きまわり行動派です。』 『 A Kind of JAPANESE BIRDS 』
和名、つるしぎ:和漢字で「鶴鷸」と書きます。美濃国の休耕田で出逢いました。本邦では春・秋季に旅鳥として訪れてくれるシギで冬羽時の「アカアシシギ」との判別は簡単ではありません。
和名「ツルシギ」の名付け理由が判りませんが他のシギに比べ嘴・頸が長く、脚も長く観えるかも??
英名は「Spotted Redshank:斑点(夏羽の上面、白色の點斑)の在る赤い脚」です。

   ここで學名を調べてみますと「Totanus Erythopus、トータナス エリソーパス(Pallas)」と標記され、第一學名はギリシャ語で“鳥の一種”、第二學名は“赤く見える脚”を示しています。例えば、哺乳動物「オオカンガルー」の學名は『Macropus』、これを分解すると「Macro+pus;大きい+長い脚を持つ生物」となります。「ツルシギ」の第二學名はギリシャ語の「Erytho+pus:赤味掛かった+脚を持つ生物」と分解することが出来そうです??。 従って、學名、英名も色と模様から名が付いた「シギ」と云うことです。現在の學名は「Tringa erythropus(トリンガ、エリュトロプス)」に変わっています。學名の変更は何時も有りそうです。
画像 さて、昭和初期に改訂編纂を開始し戦後まもなく1947年に発刊された「日本動物図鑑:北隆館発行」でのシギ科は26種が記載されています。この「ツルシギ」の説明では『稍大形ノ丈高キしぎニシテ、旅鳥ナルモ數餘リ多カラズ、春季ハ四月前後、秋季ハ十月前後、本邦ヲ經過ス、冬羽、夏羽ト著シク色彩ヲ異ニス、夏羽ハ頭・頸及ビ下面ハ凡テ黒色ニシテ、頸以下ノ背面ハ黒褐色ノ地色ニ白色ノ點斑ヲ散在シ、腰ハ白ク上尾筒ハ黒白ノ斑アリ、尾羽ハ中央ノ2枚ハ黒地ニ數條ノ灰色帯アリ、其他ハ白斑ト白色ノ末端トヲ有ス、嘴ハ長ク黒色ニシテ基部ノミ赤味ヲ帯ビ、脚ハ暗赤色ニシテ著シク長シ、冬羽ニテハ上面淡灰褐色ニシテ翼ト尾羽ハアマリ異ラズ、下面ハ白變シ只頸及ビ脇ニ灰褐色斑アリ、翼長160mm内外、嘴峰60mmアリ、本種ハよーろっぱ及ビあじあノ北部ニテ繁殖シ、冬季ニハ其南部及ビあふりかニ至ル、渡ノ途次(朝鮮・樺太・千島・北海道・本州・四国等)・中國・蒙古等ノ地方ニ出現ス、』と記述しています。ここで冬羽の部位の特徴(嘴・脚等の尾羽)が判る画像を添付してみました。
画像 ところで、実業家の傍ら在野の鳥類生態学者の小林桂助さんの「原色日本鳥類図鑑(1956年保育社発行)」P113でもう少し詳しく生態について説明しますと、『ユーラシア大陸ノ北部で繁殖・冬季はアフリカ・インド・インドネシア半島・中国大陸南部に渡る。日本には春期は2月下旬には早くも渡来し5月下旬まで見られ、時には数十羽の群れをなすこともある。秋期の渡りは春季にくらべ数少ないかつ不規則であり、9月から10月上旬にかけて渡来する。まれに本州で越冬するものもある。海岸の干潟や沼地、水田などに生息し、飛行中岸に近い水上に舞い下り泳いで岸に達したり、また、浅瀬で採食中のものが深い所へ泳ぎ出ることもある。また、本邦でもほぼ60年前に越冬することが話題になっている』と棲息状況を記述しています。特筆すべきはその行動が「泳いで岸に達し・深い所へ泳ぎ出す」ことが出来るとされ。他のシギに比べ行動派です。
そこでシギ類の脚の跗蹠(ふしょ)の長さを本図鑑で調べてみますと、ツルシギは53~59mm、アカアシシギは42~49mm、クサシギ跗蹠は32~34mm、及びキアシシギは30~35mmです。ちなみに、ダイシャクシギの跗蹠は70~87mmでホウロクシギは81~96mmです。シギ類では脚の長い方に該当していると云えます。

画像 さて、少し話が変わりますが、イギリスで発刊している鳥図鑑の「RSPB Birds of Britain and Europe」ではヨーロッパの中で年間を通して観察できるシギ類で第一学名に「Tringa」名が付いた鳥種は「Tringa ochropus (黄土色の脚のシギ): Green Sandpiper(クサシギ)」などの6種です。
では、この「Spotted Redshank:ツルシギ」をどのように解説しているかをP159〇で調べてみますと、
『Of the larger waders, the Spotted Redshank is more dynamic and energetic in its feeding actions: small groups are found leaping, running, upending, and diving for tiny fish in shallow water
『It wades more deeply and moves more erratically than the Redshank, Individual migrants are located by their highly distinctive flight call. They are scarce in winter, and are mostly seen in late summer or autumn, as they are restricted to the far northern parts of Europe as breeding birds.: より大形な渉禽類のツルシギは採餌行動がより活動的そして精力的である。小さな集団で跳ぶように動いたり、走ったり、宙返りし、そして、浅瀬の中の小魚を求め飛び込んでいるところを観ることが出来る。 それはより深い瀬を渡って、そしてアカアシシギに比べよりトッピな行動をする。個々の渡り鳥は彼らの飛翔中の極めて特徴的な鳴声で位置を確認している。
冬季、彼らは少なく、たいてい晩夏や秋季に見られる。また彼らは、繁殖する鳥としてヨーロッパの遠い北方地域に限定されている。』

画像 『Occurrence 出現地):Breeds in forest bogs and on open tundra in far N Europe .
At other times, in freshwater and brackish lagoons、salt₋marsh creeks、edges of lakes and reservoirs inland, with small numbers wintering in estuaries.: 遥か遠い北ヨーロッバの森林湿地や開けたツンドラ地で繁殖する。その外の時期、干潮河口、淡水域や汽水湖、塩水化している入江、そして内陸部の湖や貯水池の水辺などである。』と解説しています。

さて、美濃国がある中部地方は干潟・干拓地及び海岸線と木曽三川の沖積平野から成り、圃場がこの河川の沿いに広がっています。春・秋にシギ・チドリ類(渉禽類:しょうきんるい)が旅鳥として一休みしながら数多く渡来してくれていますので、これらの鳥を運が好ければ観察するのに絶好な地といえます。この時期、美濃国金華山(水道山)上空 ではサシバ、ハチクマ、ノスリ及びツミ等の猛禽類が南方へ渡っています。









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