サンコウチョウ子育て観察記(Paradise Flycatcher)

   トピックス:『巣作りは男女参画社会?!』『鳥の世界でも「イクメン:育Men?」募集中!』、『育雛の主導権は奥様です‼』『あ~!シッポが長すぎる』『いよいよ離巣完了、ここに幸あれ!』  
画像 サンコウチョウの子育て(巣造り・育雛・巣立ち)を観てみましょう! 例年、梅雨入り前、「ながらの森」には夏鳥として渡来します。本州以南の低山帯、里山付近で繁殖し、本州以西、特に、温帯林の発達した太平洋岸の湿地帯には多く、冬は台湾、中国南部、マライ諸島などで越冬するとされています。
さて、当地は平地から低い山地への針広混交樹林がある里山、彼らは「樫木・朴ノ木・檜」などが入り混ざり薄暗い林を好み、林間や枝の間を軽快に飛び回り、空中で昆虫を捕えています。
この鳥はFlycatcher:フライキャチャーの名前を持ち、軽業師のごとく林間を遺憾なく飛び回ってトンボ・アブ・ブョ?等を空中で捕獲しており、行き先の確認が難しい鳥です。

画像 毎年、五月の連休明け頃に東南アジアから渡来しています。雄が先行来日し他のオスとの縄張り争いとメスの獲得のため争っていました。ここで頑張ったオスが戦いに勝ち、かつ、メスがそのオスを気に入り「私のイケメンおとうちゃん!」は「貴方!」よと決める様です。いよいよ巣作りの開始です。  画像
 今回の営巣場所は、林間に屋根代わりとなる密集した葉がある枝股を利用しボール大の巣が造られたており、巣への進入退出は水平飛翔で方向も定まっています。  画像 
 撮影年、2007年(リーマンショック前年)の梅雨入り日は、例年より遅めの6月22日頃に宣言がされました。その後、日中の気温もウナギ上りで最高気温も30度近くの夏日が一週間以上続いていました。サンコウチョウも午前中が晴れの日は、長時間、抱卵しているのか体温が高くなるのか? 決まった時間帯に営巣場所の近くの小池でボディークール(冷す??)・羽ダニ対策のためなのか??ダイビングをして羽繕いをしているところを見せてくれていました。ちなみに、この年の梅雨明け日は8月1日頃でした。

画像 ここで、本邦でのサンコウチョウ(三光鳥)達の一般的な営巣場所を調べてみますと、清棲幸保さんの「原色日本野鳥生態図鑑、」保育社(P67)によれば,『やや暗い木陰の小枝につくり、しばしばホウノキを利用する。大きなホオノキの葉が屋根かわりなっていることが多く、巣は木の皮や蘚苔類を用いたコップ形である。』
また、樋口宏芳著、東京大学出版会発行「鳥・人・自然」P220では『サンコウチョウが好んで棲みつくは一年中緑の葉をつけるカシ・タブなどからなる照葉樹林やスギ、ヒノキの造林地のよく茂った暗い林、畑に出てくることまずないし、まして木々のない市街地で見聞することは絶対ない』とそれぞれ説明しています。

画像  いよいよ「雛育て」です!。毎年2~3羽(孵化後に初めて数が確認できます。) の雛が誕生(2007年は三羽)します。巣で抱卵し、雛を給餌をする期間は、ほぼ梅雨前半期と云って良いかも?。オス、メスとも頻繁に餌を運びこみます。この時期がまさに雄雌共同参画で雛を養っています。
当然、オスもこの巣造りにはメスと一緒になって積極的に関与(この時から育Men(イクメン?)することとなります。
あちら此方から巣造りの材料『木の葉?コケ類?くもの巣??』を運びます。巣の大きさを携帯電話と比較しますと野球の硬式ボールの直径7cm程度より大きめ(メスの体長は17.5cm)です。
なお、近所にある管理事務所に過年の巣の実物展示がありましたので許可を頂き撮影しました。

画像 この子育ての状況を視てみますと育児の主導権は、人の世と同様に奥様(雌)が握っているようで、近くにいる雄(旦那さん)に対して「地鳴き」で二・三鳴き、『父ちゃん、巣に戻って来なさい?!』鳴き声を発します。すると暫らくして、再び大きい鳴声を発します。餌運びの交替を催促し瞬間的に入れ替わります。この間の入れ替わり時間は、少数点以下の秒数単位ではないかと思うくらい素早い瞬間です。メスとオスが巣に同時に近付いて入れ替わる瞬間の写真を撮るつもりでファインダーを巣の中心に向けてセットしても、結果、『オスのシッポが長すぎて(全長約45センチ)』なかなか雄雌同時にフレームに収まらず、残念至極(ただのシャッターチャンスを失った結果ですけど?)でした。 
  雌鳥の行動を注目しますと、糞が周辺地面に落ち巣元に糞があると地面に糞が溜まり、それを蛇などが巣の場所に気づき傳登りしで雛を襲うこともあると思うのか親鳥が餌を与えた後に丁寧に糞をくわえて遠くへ運び去り(でも、ツバメは外に向けて辺り構わずその場に落としますよね!)ます。これも雛を『安全・安心』に育てる手段の一つかもしれません。当地では巣を途中で放棄(無性卵の場合もありますが)するようなことも起っていました。
画像   さて、例年、梅明け前には巣立ちをしますが、その直前にはメス・オスとも暫く直接餌を与えないようで、両親は数メートル離れた(オスはもう少し離れたところで見守っておりました)細枝のところで餌をくわえて待っています。一日も早く離巣を催促しているかの如く、その後、餌を与えながらどんどん高い枝に移って安全な場所(?)へ導いているようです。雛は餌をもらうために必死に枝にしがみついて親に従っていきます。やがて親子ともども去っていきます。これが『巣立ちのシ-ン』です。これで撮影期間は終了です。
   でも、これから雛にとっては、時には、『嵐も吹けば、雨も降る(餌不足やカラス等の外敵)、雛の道よ なぜ険(けわ)し、親をたよりに 雛は生きる・・・』として生きていかなければなりません。どこかで聴いたことはありませんか!サンコウチョウの雛さん『ここに幸あり』を願うばかりです!
 
   巣の場所は頭上の葉っぱが屋根代りにできる処に枝間隔が比較的短く細い(カラス等の接近出来ない枝葉で蜜な?)枝を選んで巣造りを行っているようです。進入退出方向や角度も限定されているようです? 巣本体の外観が周囲と溶け込むように見える樹木の幹や枝の表面にある蘚苔を外側に貼り付けたりしています。深いコップ型の巣(クモの糸利用?木皮の利用??自分の唾液利用???)を造るため、林の中を飛び廻っているように思えます。
周辺では、同様の「ツバメ・コサメビタキ」などもフライキャチャーの名の通り急降下・急上昇をしているところを見ることができます。サンコウチョウも巣造りの場所選定にはこの特技を利用しているようです。
しかし、ツバメの巣造場所は密接に人間を頼りにしていますし、粘着性のある「泥土」の主材を作っていますが、軒下の隅などで「カラス」や「ねこ」等が近寄れない場所で巣造りをしていますね!

   バードウォチイングをする人間にとって煌いている雄が注目の的となるので、このオスを短期間で、しかも何度も観ることのできる「巣作り・給餌作業期間」が絶好期ということです。
これ以降、抱卵期間に突入します。抱卵期のオスも抱卵の手伝いをしますが、雌が巣から呼びつけたとき以外はあまり巣に近寄らないような気がします。抱卵の生活管理はメスが主体的(私の独断的解釈?)に行っているようです。

画像 営巣地の周辺ではカメラを構えている多くの人々が居ても、辺りを構わず親鳥は雛のためならせっせと餌「シャッターチャンス」を運んで「与えて」くれています。
是非、少し離れた所から静かに巣造りの完成を見守ってあげたいものですが、人間の性はどうもそれを許さないようです。撮影場所。撮影方向が限定集中し撮影熱狂家の集まり場所になります。私も同じ穴の狢ですが、(辺りには少しは気を遣って居るつもり??)この一瞬を狙っています。
 しかし、その年に雛が初めて巣立って、数年後、親鳥として度渡来してくれてシャッターの押す機会を与えてくれる訳です。
なお、小林桂助さん著「鳥」保育社(P19)には『オスの三年以上の成鳥は、尾が30㎝以上にもなり日本には夏鳥として渡来。』と記述しています。無事に越冬地の台湾、中国南部、マライ諸島などへ渡って頂き、三年後に、再び尾羽根の長い成鳥としてお逢いが出来たら良いと思いました。




   

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